現場の声

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糸を輸入する小さな事業を営むミャンマーの顧客 / Taejun Shin

ミャンマーから

ヤンゴンでThidaとAung Swe夫婦に出会ったのは、ミャンマーを大地震が襲った直後の2025年4月のことでした。彼らの故郷であるマンダレーは、この地震で最も大きな被害を受けた都市です。彼らは2000年に学業のためマンダレーからヤンゴンに移り住み、その後ヤンゴンに定住しました。

10年前、市場が開放されてまもなく、二人は糸を輸入する小さな事業を始めました。中国から糸を仕入れ、工場や小売店、個人客に販売しています。この10年間、COVID-19やクーデターといった困難にもかかわらず、売上は伸び続けてきました。現在、彼らの糸を使って帽子を作る卸売顧客は150にのぼります。月に約2,000万ミャンマーチャット(約500ドル)分を輸入し、それを10~20%の利益率で販売しています。写真にあるパッケージの糸は5万チャット(12.5ドル)で販売しています。

彼らは夫であるAung Sweの名義でMIFDAから中小零細事業者向け融資を借り入れて、二人の事業を支えるために活用しています。以前は他のマイクロファイナンス機関から借入をしていましたが、MIFIDAに乗り換えました。キャッシュレス返済に対応していて、スマートフォンのウォレット決済のほうが現金よりも使いやすいからだと言います。彼らのような小さな事業を営む人々はスマートフォンのウォレットを使い慣れています。「便利で速いペーパーレスの申請プロセスも気に入っています」とも説明してくれました。

内戦や地震といった困難な状況のなかにあっても、彼らは自分たちの事業に自信を持ち続けています。口コミで顧客数も売上も伸び続け、全国から顧客がヤンゴンに足を運んでいます。

ThidaとAung Sweが前向きでいられるのは、香港で医学を学んでいる娘さんの存在が大きいといいます。裕福な家庭ではありませんが、優れた成績で奨学金を得て、混乱の続くミャンマーに医師として貢献するために戻ってくるつもりだと話してくれました。

ニュースの見出しだけを見ていると、ミャンマーの未来に希望を抱くことは難しいかもしれません。しかし、現地で起業家の顧客と接するうちに、長い目で見ればこの国にはまだ希望があると信じられるようになりました。

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手縫いの服を販売しているスリランカの顧客とその家族 / Taejun Shin

スリランカから

Roshaniと彼女の家族は、スリランカのパドゥッカに住んでいます。パドゥッカは、Sejayaが一番初めに支店を開設した村です。

Sejayaが展開する「Pasio」は、顧客専用のマーケットプレイスと組み合わせた「フィジタル」ローンです。フィジタルモデルは、対面のやりとりと融資の申込や貸出・回収のキャッシュレス化及びペーパーレス化を組み合わせ、サービスの利便性や効率性を高めることで、貸倒率の低減を図ります。Pasio上のマーケットプレイスでは、顧客同士が商品を取引できるようになっています。

RoshaniはPasioの初期ユーザーの一人で、その便利さをとても気に入っています。最初は息子のスマートフォンを借りて始めましたが、徐々に使い方に慣れると自分のスマートフォンを購入しました。今では1日あたり2~4時間ほどスマートフォンを使って、手縫いの服を販売しています。Pasioのマーケットプレイスで注文したお客さんは、自宅まで商品を受け取りに来てくれます。

このようなマーケットプレイスはスリランカの農村部ではまだ珍しいですが、利用者は全員はSejayaの顧客でもあるため安心して取引を行うことができます。

Roshaniは子どもたちが望むだけ勉強を続け、成長する姿を見守ることを楽しみにしています。

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家畜の事業を営むタジキスタンの顧客 / Taejun Shin

タジキスタンから

2023年、ウクライナにおける戦争の勃発から1年が経ち、世界的なインフレが広がるなか、タジキスタンのウズベキスタンとの国境近くの町トゥルスンズォダに住む一家を訪ねました。車を降りてから細い小道を数百メートル歩いて、6人家族が暮らす家へ向かいました。

彼らは家畜の事業を拡大するために、Humoから融資を受けました。現在、七面鳥100羽と鶏100羽を飼育し、月に約3,000ソモニ(約300ドル)の収入を得ています。15年前からここに住んでいて、夫は身体が不自由ではありますが、幹線道路沿いに引っ越す予定はないと言います。

世界的なインフレはむしろ彼らにとって追い風になりました。2,000ドルの融資で事業の規模を拡大し、家畜が増えるにつれて群れのサイズも一羽あたりの価格も上昇しています。

Humoはタジキスタンで最も優れた金融アプリの一つを提供していますが、彼らはデジタルには不慣れで、昔ながらの借入と返済の方法を好んでいます。スマートフォンは主に海外にいる親戚とのビデオ通話に使用していますが、タジキスタンでは労働力の約6分の1が主にロシアなどの国外に出稼ぎに行っているため、通話機能だけでもスマートフォンを持つ価値があるのです。

彼らは、タジキスタン人の98%と同じくイスラム教徒ですが、旧ソ連時代の影響と伝統もあり、多くの人がお酒を飲みます。「もし状況が悪化したらどうしますか?」と尋ねると、こう答えてくれました。「それでも進み続けます。神様がわたしたちを見守ってくれますから」

顧客のプライバシーを保護するため、すべての名前は変更されています。

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