サステナビリティ

五常・アンド・カンパニーは、民間版の世界銀行として「世界中に金融包摂を届ける」ことをミッションとして、2014年7月に設立されました。当社がミッションの遂行を通じて目指すビジョンは、「誰もが自分の未来を決めることができる世界」をつくることです。金融包摂は「有用かつ手頃な価格の金融サービスにアクセスできること」であり、基本的人権と同様にすべての人に等しく提供されるべきと考えていますが、今も世界中で当たり前のようには提供されていません。当社はマイクロファイナンスのグローバルリーダーとして、全てのステークホルダーに対する責任を持って、金融包摂に取り組みます。

当社にとってサステナビリティとは、顧客を中心とした全てのステークホルダーに与える社会的インパクトの最大化と経済的リターンの実現を両立させ、かつ持続可能な形で成長することを意味しています。

なお、当社の生み出す社会的インパクトと金融包摂の取組みについては、インパクトレポートとして年1回更新し、現在地を誠実かつ透明性高くお伝えしています。最新のレポートはこちらからダウンロードいただけます。

ステークホルダー・インパクトへのコミットメント

当社グループは、金融包摂の実現を通じて、顧客へのインパクトの最大化を目指します。持続可能な形で顧客にインパクトをもたらすには、社員の成長、コミュニティの繁栄、環境への配慮、そして投資家に対する長期的な利益の実現が必要です。だからこそ、当社はインパクト領域におけるリーディングカンパニーを目指して、事業を取り巻く全てのステークホルダーに対し、責任ある経営を行います。

以下の図は、ステークホルダーとの責任ある関わりを通じて、当社が「世界中に金融包摂を届ける」というミッションを、どのように実現しようとしているかを示しています。当社は、ビジョン、ミッション、価値観に共感する投資家から資金を調達し、その資金をグループ会社に投融資することを通じて事業を拡大し、長期的な利益と社会的インパクトを生み出します。

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当社グループのマテリアリティ

持続的に金融サービスを提供し、ビジョンを実現するためには、当社グループにとって重要な課題(マテリアリティ)を特定し、適切な資源配分を行うことが必要不可欠と考えます。長期的な事業リスクと成長機会からグループで重視すべき課題を、「ステークホルダー」と「当社経営陣」の視点で評価し、「顧客保護基準(Client Protection Standards)の遵守」、「社員のウェルビーイング」と「強固なコーポレート・ガバナンスと企業倫理」の3つをマテリアリティとして特定しました。

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マテリアリティの特定プロセス

STEP 01

重点課題候補の抽出

当社グループのミッションやGuiding Principles(行動規範)、ビジネスモデルを踏まえ、Sustainability Accounting Standards Board(サステナビリティ会計基準審議会)等のベストプラクティスを参照して重点課題候補を抽出しました

STEP 02

ステークホルダー視点での評価

当社グループの企業活動に関わりが深いステークホルダーとしてグループ会社経営陣、インパクト担当者、機関投資家、非営利団体等を選定。各課題候補について、ステークホルダーの視点からの重要性をアンケート調査を通じて確認し、結果を分析しました

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重点課題の特定と優先順位付け

「ステークホルダー」と「当社経営陣」の2つの視点から、重点課題候補として抽出された11項目の重要度合いをマッピングして整理し、その結果、当社グループが優先して取り組むべき特に重要な課題3つを特定しました

* 2022 年 2月15日から4月3日にマテリアリティ・マップに関するアンケートを実施しました。各項目の重要度を1(相対的に重要でない)から5(より重要) の間で評価しました。X 軸・Y 軸は 3 以上から表示しています。回答者は、五常の取締役 3名、経営陣 8名、社外関係者 (株主、アドバイザー、非営利団体)、 五常の社員6名、グループ会社の経営陣 6名、グループ会社のインパクト担当者4名です。

当社グループのマテリアリティ

当社は、強固なコーポレート・ガバナンスと高水準の企業倫理を基盤に、顧客保護基準の遵守と社員のウェルビーイングの向上を通じて、ステークホルダーへのインパクトを最大化することが、ビジョンの実現に不可欠であると考えています。

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サステナビリティ推進体制

当社の取締役会は経営上のサステナビリティ関連のリスクを含む重要事項の決定と、業務執行の監督について責任を負います。また、当社は全ての意思決定にステークホルダー、特に顧客へのインパクトを反映する観点から助言を行う「インパクト委員会」を自主的に設立しています。インパクト委員会は、ESG及びインパクト調査をサポートし、進捗のモニタリングを通じて、当社グループ全体のインパクトを推進しています。

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ソーシャルゴールの設定

当社及びグループ会社について、ミッションや価値観を組織体制、戦略、オペレーションに反映させ、それを実行するための仕組みが整っているのかを包括的に判断できる指標としてソーシャルゴールを設定し、年次で進捗状況をモニタリングしています。具体的には、顧客満足度やエグジット率、従業員満足度や離職率、SPI監査のスコアや顧客保護認証の取得状況、GHG排出量等のESGに関連した指標が含まれます。

サステナビリティ経営のためのフレームワーク

当社は独自のフレームワークに加えて、様々な外部のフレームワークを活用し、社会環境パフォーマンス管理(SEPM)及びインパクト測定を実施しています。

USSEPM (Universal Standards of Social and Environmental Performance Management) 

当社はCerise+SPTFが作成した、SEPMの主要原則をまとめたフレームワークであるUSSEPMに立脚しており、当社グループのSEPMの枠組みに取り入れています。

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USSEPMの7つの柱と当社グループの主な取組み

USSEPMの7つの柱 当社グループの主な取組み
1. 社会的目標に沿った戦略 各グループ会社の社会的目標に沿った戦略を策定し、ソーシャルゴールを通じて進捗状況をモニタリングします。インパクト担当者を設置し、SEPMプロジェクトを推進します。
2. 経営陣によるコミットメント 取締役及び経営陣に対してSEPMに関する研修を実施します。経営陣によるSEPM推進状況や取締役会への報告状況も継続的にモニタリングします。
3. 顧客中心の製品とサービス 顧客にとって利便性の高い商品設計を追求するとともに、融資審査や返済の過程において顧客の状況を把握し、顧客にとって有用なサービスを提供できているか把握します。新商品導入にあたってはパイロットテストを行いながら改善を図ります。
4. 顧客保護 顧客保護に関する規程を整備し、各施策の徹底を図ります。第三者による評価を踏まえた顧客保護認証の取得を推進します。
5. 責任ある人材開発 HR Policyを制定し、社員のウェルビーイングや多様性を尊重する文化を醸成します。定期的な従業員満足度調査を実施し、課題の改善に努めます。
6. 責任ある成長と収益 Pricing Policyを制定し、過度な利益追求に偏らない透明性のある適切な価格設定を担保します。
7. 環境パフォーマンス管理 Environmental Policyを制定し、顧客の事業が環境に及ぼすリスクの管理や顧客の気候変動への適応を支援し、推進するための適切な組織体制を整えます。

当社は投資先候補の選定から、M&A後のモニタリングや経営支援に至る多くの業務プロセスにおいてUSSEPMを活用しています。新規投資先候補に対しては、ビジネス・財務・法務デューデリジェンスに加えて、Cerise+SPTFが開発した社会・環境領域におけるデューデリジェンスツールであるALINUSを活用したソーシャル・デューデリジェンスを行い、顧客保護を含むSEPMの実践状況を評価します。

投資実行後には、3年に一度以上の頻度でソーシャル・パフォーマンス監査(SPI監査*)を実施します。デューデリジェンスや監査を通じて特定したSEPM上の課題について、当社のインパクトチームが各グループ会社の実施状況のモニタリングを行うとともに、グループのベストプラクティスを共有する等の支援を行っています。当社とグループ会社のインパクト担当者が連携してアクションプランを策定し、実行に移します。

*SPI監査とは、Cerise+SPTFが提供するSocial Performance Indicators(SPI)ツールを用いて実施される社会環境パフォーマンスの監査です

顧客保護基準

金融アクセスから排除され社会的に脆弱な立場にある人々にサービスを提供することから、マイクロファイナンス業界においては顧客保護に関するガイドラインが存在しています。その代表的なものが、Cerise+SPTFが定める以下の8つの顧客保護基準です。

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顧客保護基準と当社グループの主な取組み

顧客保護基準 当社グループの主な取組み
1. 適切な商品設計 顧客にとって利便性の高い商品設計を担保するため、融資金額や返済期間を可能な限り柔軟に設計しています。また、顧客の移動負荷を減らすため農村部の顧客の住まいの近くでセンターミーティングを開催し回収を行う場合もあります。
2. 過重債務の防止 与信判断の一環として詳細な収入分析を行い、過重債務の防止に努めます。融資返済額が収入の一定割合を超えないよう管理する、他社からの借入が一定数を超えている場合は融資を行わないなどの規定を設けています。
3. 透明性の確保 融資に関する諸条件を記載したKey Facts Documentを顧客に配布し、口頭及び書面での説明を徹底しています。
4. 責任ある価格設定 Pricing Policyを制定することで資本コストに基づく適切な価格設定を担保しています。
5. 公正かつ誠意ある顧客対応 Code of Conductに基づく顧客対応を徹底するため営業職員に対して研修を実施しています。顧客への適切な対応を営業職員のインセンティブ評価項目とする場合もあります。
6. 顧客情報の保護 融資契約書において顧客情報の取扱いに関する同意を取得すると同時に、融資実行時に営業職員が口頭で説明を行います。
7. クレームへの適切な対応 クレーム対応窓口を設け、原則として30日以内の解決を目指します。当社インパクトチームがグループ会社と月次でクレーム一覧をレビューし、重大な案件は当社に即時報告される仕組みを導入しています。
8. ガバナンスと経営陣による顧客保護へのコミットメント インパクト委員会を設置し、顧客保護に関する議題を扱います。顧客保護認証の取得を推進し、SPI監査を3年に一度実施します。

持続可能な開発目標(SDGs)

金融サービスから排除されている人々が障壁を乗り越え、誰もが自分の未来を決めることができる世界をつ くることをビジョンとして、当社グループは、事業を通じ、持続可能な開発目標(SDGs)にて掲げられている目標1「貧困をなくそう」、目標8「働きがいも 経済成長も」、目標10「人や国の不平等をなくそう」 への貢献に取り組みます。 また、同時に、グループ会社が提供する金融サービスに、水へのアクセスと公衆衛生の向上のためのローンや、グリーンファイナンス商品も含まれることから、目標6「安全な水とトイレを世界中に」、目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」の実現にも取り組んでいると考えます。

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Global Reporting Initiative (GRI)

インパクト指標と関連するGRIスタンダードとの対応をインパクトレポートにて公表しています。

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外部からの主な評価

顧客保護認証

連結子会社はCerise+SPTFが指定する格付機関から評価を受け顧客保護認証を取得することを目指しています。2026年5月現在、MAXIMA、Sejaya、MIFIDA、及びHumo は顧客保護認証を取得しています。

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B Corp認証

当社は社会や環境に配慮した公益性の高い企業に対する国際的な認証制度であるB-Corp認証を取得しています。持株会社だけでなく、連結子会社が評価の対象となっています。認定基準の80点を大きく上回る102.8点を獲得しました(2025年1月時点)。「People Using Business as a Force for Good®」の理念に取り組むコミュニティの一員として、社会的パフォーマンスの向上及びインパクトの創出に真摯に取り組みます。

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ソーシャル・フレームワークの策定

ICMA(International Capital Market Association、国際資本市場協会)諸原則などに定められている4つの要素(「1.調達資金の使途」、「2.プロジェクトの評価と選定のプロセス」、「3.調達資金の管理」、「4.レポーティング」)に基づき、「ソーシャルファイナンス・フレームワーク」を策定しました。ICMA原則との適合性については、外部認証機関であるISS-Corporateよりオピニオンを取得しています。 

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