五常は、D&I AWARDの中小企業部門においてダイバーシティ&インクルージョン(D&I)のD&I AWARD賞(セミグランプリ)を受賞しました。D&I AWARDは、「D&Iがあたりまえの社会」の実現をビジョンに掲げた、日本最大の認証制度です。10カ国以上のメンバーで構成される多様なチームへと成長してきた五常にとって、今回の受賞は大きな一歩だと考えています。
数年前、私は「多様性がより良い職場をつくる」というテーマについてブログを書きました。同質性の高いローカルな職場と、意図的にインクルーシブな環境を築く国際機関との違いを自身のキャリアの初期に経験したことで、このテーマについて深く考えるようになりました。五常でChief People & Inclusion Officerに就任して以来、私が目指してきたのは、多数派の価値観に合わせるプレッシャーを感じることなく、誰もが自分らしく活躍できる環境をつくることです。
本アワードの審査では、五常が透明性の高い、フラットな組織文化づくりを進めてきたことが評価されました。五常では、取締役会および経営陣のD&Iに対する強いコミットメントが、組織文化の礎となっています。透明性を高めるために、社内のほぼすべての資料や会議を、メンバーがアクセス可能な状態にしています。五常が多様でインクルーシブな組織づくりに向けて実践している、具体的な3つの取り組みをご紹介します。
- 取締役会レベルでの数値目標を通じたジェンダー平等の実現:ジェンダーの多様性は、日本において重要な課題の一つであり、その実現には意識的な取り組みと測定可能な目標設定が欠かせません。2021年3月、五常の指名委員会は定量的なダイバーシティ目標を正式に設定しました。当時、五常の女性比率は36%で、取締役会における女性メンバーは1名のみでした。変化には時間を要しましたが、取締役会レベルでの具体的なコミットメントと数値目標(KPI)の設定が、採用や昇進に関する意思決定を大きく後押ししました。現在では、社員の女性比率は50%を達成し、9名の取締役のうち3名が女性です。Royanne Doi氏、Almira Zejnilagic氏、Kshama Fernandes氏といった国際的な女性の人材を社外取締役として迎え入れることで、多様性のある取締役会を意図的に構築してきました。
- 文化の違いによる摩擦を克服する「カルチャーマッピング」:異なる背景を持つメンバーが集まることで多角的な視点が生まれる一方、コミュニケーションスタイルの違いによる摩擦も生じます。例えば、経営会議において率直に議論を交わすスタイルが、もともと積極的にディベートを行う文化に馴染みのないメンバーにとっては、負担につながることがあると気づきました。そこで導入したのが「カルチャーマッピング」ワークショップです。意思決定やフィードバックの仕方について個々人の好むスタイルを可視化することで、異文化間の相互理解を促進し、すれ違いを減らしています。
- 「ハピネス・チャート」を通じた共感の醸成:D&Iとはジェンダーや国籍といった属性だけでなく、一人ひとりの違いを理解することだと考えています。五常に新しく加わる社員には、自身の人生の浮き沈みを示す「ハピネス・チャート」をプレゼンしてもらいます。自身の弱みや辛かった体験の共有は、文化を越えた共感を生み出します。どこで育ったとしても、大きな人生の転機に直面したときの葛藤や思春期の戸惑いは驚くほど似通っているものです。そうした感情の共通点を見出すことが、深い信頼関係の構築につながっています。
今回セミグランプリを受賞できたことは大変光栄ですが、D&Iの取り組みはまだ道半ばだと感じています。現在も、経営陣のジェンダー多様性を高めていくために、中間管理職層から意識的に機会を広げるなど、継続的な取り組みを行っています。また、メンタルヘルス・心理的安全性の支援体制を拡充するとともに、海外のグループ会社ともD&Iに関する知見を共有し、より大きな社会的インパクトの創出を目指しています。
これらの取り組みの根底にあるのは、誰もが自分らしく力を発揮できる環境をつくりたいという思いです。社員の成長を支援する取り組みの一環として、私は現在Co-Activeコーチングの認定資格取得にも取り組んでいます。社内でのコーチングを通じて、社員が自身のリーダーシップの特性を理解し、その可能性を最大限に発揮できるよう支援しています。
D&Iにゴールはありません。五常は、すべての人にとって働きやすい組織を目指す旅を続けていきます。

五常でのD&Iに関する記事 / JobRainbow
高橋孝郎(Chief People & Inclusion Officer)
























